アトリエ便り


風薫る季節。我が家のバルコニーも賑やかになってきたよ。


5月31日
11:08pm
地震のあとは台風かよ。
でもいいのだ。この週末は家に篭ることに決めてたから。
明日からの衣替えの準備である。
衣替えなんてさー、
制服を着ていたのは中学の3年間だけだったし、
洋服の場合はオールシーズン着ちゃう服も多いし、
最近じゃあ、どんどんいい加減になってきていたのに。
けれど、着物の場合はいろいろ決まり事があって、
めんどくさいんだけど、これがまた楽しい。
単衣の着物や絽の長襦袢の袖丈を直したり、
絽縮緬の半襟をかけたりして、準備万端。
これでようやく明日から堂々と単衣を着られる。
(今月も暑い日にはこっそり着てたけど)
有意義な5月の締め括りの1日であった。
午後9時頃、あーやれやれ。。。ってこともあったけど。
5月26日
2:33am
みなさま、地震、大丈夫でしたか?
私はそのときアトリエにいて、更新後の呆けた気分で
発送準備のために、のんびり仕上げアイロンかけたりしてたんだけど、
あれ??? 昨夜の敗戦のヤケ酒がまだ残ってたかな? え?
てな状態で、いつもより反応が鈍かったっす。
普段は、一拍前に予知するんだけど。
やばっ! と気づいたときには、思わず
右手で生地がぎっしり詰まったエレクターを押さえつつ
左手でアイロンのスイッチ切ったよ。
このままエレクターが倒れてきて生地に埋もれて死ぬのはやだ!と思った。
梅雨とゴキブリと地震は知らずに育ったもんで、
最初の地震の記憶は18歳の春。生まれて3度目にひとりで来た東京。
しかも出発のときは猛吹雪で、千歳空港までの列車が立ち往生し、
途中下車して、近くに居合わせた人たちと相乗りでタクシー飛ばして、
ようやく飛行機に間に合った。無事に羽田に着いて電車を乗り継ぎ、
右も左もわからぬ場所まで、どうにか辿り着いてみたら、
数日前に宿に着いてるはずの友人の姿はなし。
心細い気持ちでひとりで寝てたら、夜中にいきなり、ぐわんぐわん揺れた。
何が起こってるのかぜんぜんわからず、泣きそうだったあの夜。
あれから××年後、その初めての地震を体験した場所の近所に、
いま住んでるんだよなー。因果なもので。
5月23日
3:47am
ミケコも眠る丑三つ時。・・・も、過ぎたか。
ただいま、ちょっとハイになってます。
ドライバーズハイならぬクリエイターズハイってとこでしょか。
(おー、そう言ってみるとかっこいいなー)
指に針が刺さっても痛くないしー。
けど、どうしてこう、目の前に片づけなきゃならないことがあると
まったく無関係なことやりたくなっちゃうんだろね。
それは明後日やればいいことなのにさ。
けど明後日じゃなくていまやるから楽しいんだなー、これが。
ってか明後日じゃ間に合わんのだよ。
スタジアム用全天候型座布団縫ってたんだけどさ。
防水クロスでファスナーつけて、タオルと合羽を収納できる優れモノ。
あ、でも日曜の傘マークは消えたんだっけ?
なのに、なんでこんな夜更けにこんなもん作ってんだろ私。
試験勉強中に関係ない本読みたくなる、あの癖が抜けませぬ。
5月22日
1:45am
このhp立ち上げのときに、生来怠け者の自分を鞭打つつもりで、
毎月24日を新作発表日と決めてしまったため、
20日を過ぎた頃から焦り出すのはいつものことなんだけど、
今回は、ほんとうに焦っていた。
今月の目玉になる予定だった商品の、肝心の材料が見つからない。
ぶっちゃけ(新海君なつかしー)、巾着の底につけるカゴなんだけど、
数個仕入れたうちの1個だけは試作用として、何カ月もの間、
作業台の上に放置してあったのだが、ほかはどこかにしまい込んだっきり。
あれぇ? どこだっけ??? ・・・で、大捜索開始したのが数日前。
椅子に上って棚の上漁ったり、床に這いつくばって棚の下漁ったり。
そこはありえないだろっ、って場所まで、探しても探しても見つからなくて
途方に暮れていたのだが。ついさっき、やっと見つけました。
灯台下暗し、とはまさにこのことなり、という場所で。
なんだかがっくり拍子抜け。。。
もともと整理整頓は得意じゃないしさー、
昔、会社の机の上なんかぐちゃぐちゃだったけどさ、でもそこには、
他人にはわからなくても私だけにはわかる秩序ってものがあって、
ちゃんとどこに何があるか把握してたもんだったけどなー。
・・・・これって歳のせい?
あと2日で、カゴつき巾着、無事にアップできたらお慰み。ってことで。
5月18日
2:19am
・・・またしても怒濤の一週間だった。
和裁教室やら雨下駄デビューやら博物館やらプチ同窓会やらで、
ぜんぜん落ち着かず、あいかわらずミシンの前から遠ざかったまま。
なのに毎日夜更けてから銘仙の裾をくけたりしている。
夜中に薄暗いところで黒いもの縫ってばかりいたら、さすがに目と肩にくる。
急に寒いし。なんだか大きめの地震は頻発してるし。
応援チームはことごとく負けてるしぃ。。。
5月12日
1:04am
そしてこの週末は、ひたすら着物縫いながらサッカーを観ていた。
現在3枚同時進行中。まぁ、そこそこ捗ったかな。
まったくもって着物とサッカーの週末であった。
そろそろミシンモードに切り替えないとやばい。
5月10日
1:56am
・・・怒濤の一週間だった。
日曜日にちんたらと仕込んでおいたつまみをつつきながら、
月曜日はサッカー仲間の友人と昼間っからビール飲みつつtv&ビデオで観戦。
火曜日、ようやく堂々と単衣の着物で友人と浅草へ繰り出し、
念願の日傘と扇子をゲット。絽の着物と羽織もゲット。
しかし、気づいたら黒いものばかり買っていた。
水曜日、和裁の先生のお宅へお邪魔して、肌襦袢の続きを習う。
ご夫婦ともに和裁士というのはどんな暮らしなのかと興味津々だったのだが、
まずは、丹精されたお庭を惚れ惚れと眺めてから、2階の仕事場へ。
木の細長い裁ち台が整然と並んだ風通しのよい和室で、
心地よいbgmに包まれて、しばし針を持ってはみたものの、
おいしいお茶とお喋りに費やした時間のほうが長かったような。
夏休みに田舎のおばあちゃんちに遊びに行った子どもの気分になってしまって
仕事はちっとも捗らず。だけど心洗われる一日だった。
木曜日は某百貨店にて、ついに清水の舞台から飛び降りた。
何度も足繁く通っては迷っていた江戸小紋を誂えることに決心。うう。。。
その後、浴衣再生作戦をはじめとした今後の着物縫製計画を立て、
夜なべして両袖を縫ってみて、すっかり出来上がった気分になる。
金曜日、着物仲間の友人宅にて、また昼間っからビール飲みつつ
大阪たこやきの洗礼を受け、人生始まって以来のたこやき大食い記録を更新。
ああ、ほんとに着物とサッカーの日々である。
・・・明日は1歩も外に出ないぞ。
5月3日
1:48am
針仕事が上手だったという、母の祖母がよく言っていたそうである。
「ものさしは何度でもやり直しがきくけど、
はさみはやり直しがきかないからね」と。
会ったことはないけど、ひいばあちゃん、
いまごろ天上で不肖の曾孫を嘆いていることでせう。
まったく、浅はかでございました。
一昨日、中断していた浴衣縫いを再開してまもなく、
取り返しのつかない大失敗をやらかしていたことに気づき、
・・・気づいたんだけどしばらく気づかないふりして
強引に進めようとしていたのだけど・・・ダメだ。
このまま仕上げても着られるものにはならない。
ああ・・・覆水盆に返らず。である。
it is no use crying over spilt milk. である。
ce qui est fait est fait. である。
もうあきらめて全部巾着にして売っちまおうか、と、一瞬思ったんだけど
いや、待てよ。無茶すればなんとかなるかもしれん・・・と、
思い直して悪戦苦闘すること小一時間。
・・・なんとかなるかも。かなり無茶な荒技だけど。
ちきしょー。転んでもタダでは起きんぞ。ひいばあちゃん、見ててくれぃ。
5月1日
1:52am
たまに掃除しないとヤバイ場所。
その1:ミシンの釜の周り。なんか糸調子が悪いぞ、とうとう故障か?
と思いつつ、下糸を抜いて覗き込むと、あらー、ホコリだらけ。
慌てて掃除したら、何事もなかったかのように快調、ってことはよくある。
その2:アイロンの裏。なんか滑りが悪いぞ、と思って裏を見たら
あらー、銀色のはずなのに茶色くなってる〜。
普段アイロン台に載せっぱなしで、いちいち裏をひっくり返して見ないので、
けっこう茶色くなってから気づく、ってのもよくあること。
その3:針山(うちのは、ピンクッションなんて上品な感じじゃなく、
針山って言うほうがしっくりくる)。なんとなくつかんだら、ちくっ。
あ、針が入ってる・・・と、ぐにぐに揉んで抜き出す。
そうしてるうちにも、また違うところから、ちくっ、とくる。
しょうがない。いま刺さってる針を全部別の針山に移して、
しばし、ぐにぐにと揉み続けた結果、8cm四方くらいの中から10本ほどの針が出てきた。
げ。こんなにいっぱい行方不明になっていたのに気づかずにいたとはおそろしい。
ついでだから、曲がったまち針を抜き、頭が赤いの白いのときれいに並べて刺し直し
(そんな秩序は束の間のことだとわかっちゃいるが)
我がアトリエもすっきりと5月を迎えることができたのだった。


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