アトリエ便り


幸いにも花粉症とは無縁だけど、春ってちょっと憂鬱だったりするよね。


3月30日
11:29pm
そうか、しまった、春休み最後の日曜日か。
と、気づいたときには身動きとれなくなっていた。
パレフランスからラフォーレ前まで歩くのに何分かかっただろう?
でも、ああ、そうかぁ。そういう季節かぁ。
私も××年前の今ごろ、入学式に履く靴探しながら
この道をうろうろしてたっけ。
裾がギザギザのスカートに、右と左と違う色のソックス履いて。
・・・大昔のことだけど。
3月28日
2:37am
今日こそ早く寝ようと思いつつ、またこんな時間。。。
ハンガーに吊るしたきものを眺めながら、じつは興奮して眠れないのだ。
お昼頃届いた宅急便。予告されていたとはいえ開けてびっくりの玉手箱。
きものや羽織や絽の長襦袢や帯揚や半襟や、いろんな端切れやら・・・。
昨年末に知りあったかたから送っていただいたのだけれど、
お礼状なんかいらないからね、というお言葉に甘えて、
この場で報告させていただきます。oさん、ありがとうございました。
もう、狂喜乱舞してます。大切に使わせていただきます。
お茶会にも、ぜひ誘ってくださいね。
3月27日
1:55am
・・・で、そうか、「新モス」ってーのは、
戦後の繊維不足の頃に作られたレーヨン・スフのことなのか。
(注:スフ=ステープル・ファイバーの略)
そもそも高級薄手木綿だったモスリンをアラビア人から輸入して、
薄手羊毛生地の名前にすりかえたのはイギリス人だったのか。
・・・などなど、日々学ぶことは多し。
そして今日から浴衣を縫いはじめた。
この、殆ど直線裁ちで成立する形、
手もとでチクチク、というよりザクザクと粗い針目で縫う
単調な作業の、えもいわれぬ快感。これは新発見だった。
なんというか、ある種の妙なヒーリングである。
ミシンでダーーーーッと縫うのは、ある種の妙なカタルシスだが。
いや、これが絹の縮緬地ならストレスに変わるんだろうけど。
木綿の浴衣地だから、こんな呑気なこと言ってられるんだろうけど。
ああ、早くこれ着て国立競技場に行きたいなぁ。
3月25日
2:04am
和裁を学ぼうと思っている。
手始めに、夏までに浴衣を1枚縫い上げることと、
ここ数カ月の間に買い漁った古着物の中で少々難アリな何枚かの
袖丈や裄などを、ちょこっと直すことをマスターしようと目論んでいる。
色と柄が気に入って1000円で買った古着物があるのだが、
シミもあるし、表地もおそらく交織で、質はぜんぜんいいものじゃない。
最大の難点が八掛(裾回しともいう、裾と袖口につける裏地のことね)の色で、
表地とまったく関係ないピンク(かなり困った色合いの)なんである。
これを紫色のものに取り替えたい、というのが目下の野望。
でも絹の八掛なんかもったいないから安いのでけっこう、と思って
ずっと探しているんだけれど、安いのはちゃちな色のポリエステルばかり。
実家の母に相談すると「モスの八掛地だったらm売りしてるよ」との返事。
ところが売ってないのよぉ、その「モス」ってやつが。
正式名称モスリン。昔の人はメリンスとも呼ぶのでややこしい。
正体はウール100%の単糸の平織物である。軽くて暖かい素材だ。
ほどけにくいので腰紐には最適で、私も愛用している。
モスの長襦袢も(最近は絹のばかり着てるけど)何枚か持っている。
昔のモスには、けっこう意表を突くようなかわいい柄のものもあって、
アンティークの腹合せ帯の裏側なんかに見かけたりもするけど、
虫に食われやすいので、穴だらけだったりすることも多い。
先日ようやく吉祥寺のユザワヤで見つけたビリケン印のモスリンは、
田村駒という大阪の繊維会社が作ってるようだが、ほしい色がなく、残念。
いったい、どこに行けば手に入るのさー?
と思って調べたら、いろいろわかったことがある。
モスリンは、明治初頭に日本に輸入され、明治中期から生産されるようになったが、
いまじゃ消費されてる地域はおもに日本海側の北日本に限られ(綿入れ袢纏などで)、
年々生産量も激減してて、どうやら絶滅寸前の素材らしい。
その語源がイラク北部の町mosul(モスル)だということもはじめて知った。
ずっと昔にその町で誰かが作り出した布なのだ。当時は綿の平織だったらしいが。
ちなみにガーゼの起源は、パレスチナのgaza(ガザ)地区だそうな。
なぜか紛争地域が多いのだけど、布の語源はとても興味深い。
3月23日
2:55am
昼前にだらだら起きて遅い朝食のあとミシンの前に座る。
午後3時30分:tvの前に移動。「鹿島-浦和」で疲労困憊。
午後5時30分:再びミシンの前に座る。
午後7時:リモコン片手にtvの前で「東京-柏」&「名古屋-清水」。
ハーフタイムに速攻で夕食の用意して再びtvの前へ。
午後9時:もう一度ミシンの前に戻ってみる。
午後11時半からリモコン片手にtvの前で「c大阪-神戸」&スパサカ。
午前1時半頃お風呂に入り、さっきからまたtvの前で「マンu-フルハム」。
そしてこのままマレーシア予選。
・・・何やってんだか。。。
3月22日
2:04am
tvのチャンネルを、イラクから静岡に切り替え、
画面に映るスタジアムのどこかにいる友人と携帯メールをやりとりする午後。
「ちきしょー、おめでとー」のメッセージを受け取ったあと、
日が傾きかけたアトリエにて、ようやく本日の仕事再開。
幸せな気分のときは捗るもんで、すいすいと1個縫い上げたもんだ。
明日の捗り具合は、マレーシア次第だな、っと。
3月17日
11:46pm
5カ月ぶりに親不知を抜いた。残るはあと1本也。
親不知を抜くとき、ひどい目に遭った人の話はよく聞くけど、
私が丈夫なのか、歯医者の腕がいいのか、
あいかわらずあっさりしたもんだった。
過去2回の経験からいくと今夜だけ辛抱すれば大丈夫。
とはいえ、なんかやっぱりやる気は起きないねぇ。。。
作りかけのものは山のようにあるんだけどねぇ。
3月11日
2:35am
あ、昨日書き忘れてた。あと、レアル・マドリッドとビルバオもね。
なぜにそんな上のほうと下のほう? ま、いーじゃないか。
強いレアルを観るのは楽しいなーーー、っと。
話はころっと着物ネタに変わるんだけど、今日の昼間、
狭い地域をほんの数時間歩いてた間に、着物姿を8人も見かけた。
うち、おばちゃん6人、おねえちゃん2人。
最初のおねえちゃんは、をいをい、カンベンしてくれよ、だったが、
後のおねえちゃんは、なかなか素敵だった。
おばちゃんはみんな似たり寄ったり。
お着物は高級そうなんだけどさ、なんじゃそのコーディネート!?
それに比べたら、数日前に渋谷ハチ公前で見かけたおねーさん、
果敢にも雨の日に水色の訪問着をめちゃくちゃな着かたで御召しになってた
金髪の異国のおねーさん、あなたのほうが素敵だったよ。
3月10日
1:46am
「よっしゃー」とか「やったー」とか「ざまーみろー」とか
叫んでばかりいたような気がするこの週末。
いや、まぁ、おおむね良好だったわけですが。
今日の表彰台に赤いのがいなかったことが最高に気持ちよかー。
・・・宣言しておこう。今年私が応援するのは、
横浜、浦和、京都(まったくねぇ・・・がんばれくろべえ)。
そして、ライコネン、hondaのふたり、
(もしや万が一、シーズン途中で別のふたりになろうとも。
そりゃそうと、イケメンイケメンってうるさいんだよー、
バトンはデビュー当時のほうがいまよりずっとイケてたんだぞー)
一列後ろに、パニス、モン吉、ラルフ・ファーマン、ってとこだな。
3月7日
1:54am
クミンシードを炒めて、にんにくとしょうがのみじん切りを炒めて、
タマネギのみじん切りを炒めて、カスピ海ヨーグルト漬けの鶏肉を炒めて、
コリアンダーシード+ターメリック+カイエンヌペッパー+チリペッパー
を入れて炒めて、トマトのみじん切りを投入したところで、
ビールを開けて、人心地ついたところである。
って、こんな夜中にチキンカレーかい。
なんか急に食べたくなっちゃってさ。食べるのは明日の夜だろうけど。
和装小物フロアオープンしたり、その対応に追われたり、
ちょっとしたキモノイベントに参加したりして、
怒濤のような1週間だったから、身体がスパイスを求めてるのかも。
今日は久しぶりに一日中家に篭ってた仕上げに
夜中にビール飲みつつチキンカレーを煮込む。けっこう幸せなひととき。
今週末はf1もナビスコカップも始まるんだもんね。つかの間の平穏だわ。
・・・いや、「にゃおーん」って言ったって、ミケコさん、
いい匂いに誘われる気持ちはわかるけど、
きみには、これは食べられないと思うなー。
ガラムマサラを投入して、ちょっと煮込んだら寝ようっと。
あ、ビールがない。カルヴァドス1杯飲んだら寝ようっと。
3月3日
6:10pm
ぼんぼりに灯ともしてますかー?
五人囃子は元気にライブやってますかー?
実家の五人囃子の笛の子に会いたいなぁ。。。
たんすやお針箱の抽き出しに、ひなあられ詰めちゃいけないよー。
樟脳臭い湿気ったひなあられ、翌年見つけて青くなったもんだった。
さて、構想たったの2カ月という見切り発車ながら、
どうにか間に合ったよ、和装小物フロア。
帯留めの製作中、左手人差指先端に、血豆作っちまいましたけど。
それにしても、和服のサイズというのは、ほんとに合理的にできている。
反物の幅をそのまま生かす身頃と袖、幅を半分に裁って使う、襟と衽。
何度も洗い張りして仕立て直されたのち
長襦袢や羽織に変身してるものも見かけるし、
各パーツがバラバラになった挙句、片袖だけ私のもとにやってくることもある。
そうやって、さらに、帯に、帯揚に、半襟に、紐に、ときには布団や座布団に、
と、どんどん小さくなりながらも、とことん使いきられていたわけよね、昔は。
今回出した帯留めやヘアピンは、あちこちにシミや汚れや擦れがあって、
大きな面積では生かせないような生地の使い道を思案した結果生まれたもの。
そんなふうに、布を無駄なく生かしたいという思いで続けていくつもり。
3月2日
3:19am
・・・いや、ぜんぜん憂鬱じゃないんだけどね。
雪解けのぐちゃぐちゃした景色が嫌いだったせいか、
春って輪郭のくっきりしない季節、という印象で
あんまり好きじゃなかったんだけど。でも東京の春はいい。
早く単衣の銘仙でも着て、袂を翻して歩きたいもんだ。って、そりゃ初夏か。
さて、そうです、和装小物フロアオープンに向けて
アトリエの作業台の上では、撮影準備が着々と進行中。
っていうのは大嘘で、いや、そんな宣言しなきゃよかったと後悔したよ。
「楽しみにしてます。」というメールをいただくたびに恐縮しておりまする。
最初は、こぢんまりとひっそりと始めますので・・・。
おかげさまで定番シリーズのバッグも短期間で完売し、
ばたばたと発送作業を終えたのちに、
「届きました。気に入りました。」というメールをいただくと
とっても嬉しい。海を渡って(ったって国内だけど)北へ南へと
ヨメに出しつつ、たまにご近所の住所を見つけたりすると、
またどっかで会えるかもね〜、と思いつつ送り出す。
が、いまだその経験はない。電車の中でボケッと座ってるときなんかに
見覚えのあるバッグが視界を横切ったりしようものなら、
速攻で追いかけるんだけどねぇ。


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