アトリエ便り


2月かぁ。今日もシバレるねぇ〜、って季節かぁ。けど、ショコラの季節かぁ。


2月27日
1:47am
ああ、それなのに、今日、中散財しちまった・・・。
浅草は広い、深い、厚い、愉しい。
雷門前の人力車のおねえちゃん、いい情報をありがとう。
あなたもぜったい似合うから、きもの着てね。
こんなところに生まれ育ったら、
人生まったく違うものになっていただろう、と、つくづく思った。
18歳のときに3カ月住んだだけじゃ、わかりっこないやーねぇ。
今日もあのおばちゃんとこのクリーム白玉あんみつは旨かった。
「クリーム白玉あんみつグランプリ」決定、だな。
また来月みんなで行くからねー、おばちゃん。
2月23日
2:23am
着物で出かけると、喉が乾く。コーヒーが飲みたくなる。
着物で出かけると、あんこ系の甘いものが食べたくなる。
その両方を満たしてくれる店が、ない。
クリーム白玉あんみつも食べたいんだけど、
コーヒーも飲みたいんだよ〜。
という欲求を満たしてくれる店に、やっと巡り合えた。
t市のt百貨店内にある甘味処、すてき♪
それにひきかえs区のi百貨店ってば、まったくもう。
(って、話はすっかり変わるんだが)
京都やって、きもの市やって、次は九州かい、白大島かい。
同じs区のk百貨店でも、t区のt百貨店でも、k市のt百貨店でも
今年になって、九州関係やってたけどさ、
チラシやdmに載っけるアイテムが一段違うもんね。
客に金使わせるのうまいよなぁ、ちくしょーーー。
一昨日も危うく大散財しちまうところだったぜ。小散財で済んだけど。
でも悔しいけど大好きだぞー。
2月21日
2:28am
狭いアトリエとは別に、倉庫部屋と名付けたこれまた狭い部屋があり、
そこには、本や雑誌、オフシーズンの服、使ってない古いmac、
トイレットペーパーや洗剤の買い置き、
田舎から届いた、いもやかぼちゃやトマトジュースの瓶、
いろんなものが渾然一体と押し込まれている。
その部屋のエレクターの棚に、近ごろ買い集めた、
絽だの紗だの、夏の着物をいっぱいぶら下げて眺めている。
まだあと4カ月ちょっとはおあずけだっちゅーのに。
ここに、今日また新入りが加わった。
濃藍に流水模様の、目にも涼しげな紗の着物。
思えば、私にとって、はじめての東京の夏は衝撃だった。
こんなところで生きていけん、と思った。
クーラーもない部屋で、動くことすらできず、
ボロい扇風機の前で麦茶がぶがぶ飲んでは、汗ばかりかいていた。
それでもどうにか生き延びて、何度めかの夏に、ふと思った。
大人になったら、クソ暑い真夏に涼しい顔で着物着て、白い日傘をさして、
凛として歩いてみたいもんだ、この目黒通りを、ちくしょー。
へへっ、今年の夏には、ようやく果たせそうだぜ。
あーーー、早く夏にならないかなぁー。
2月17日
2:19am
「酒と薔薇の日々」ならぬ「着物とサッカーの日々」である。
・・・あ、酒もちょっと入ってるけども。
(国立で2試合続けて観ちゃった人たち、おつかれ。風邪ひくなよー。)
ところで、私はなんでこんなに着物にハマってしまったのか?
と、一昨日着た着物を畳みつつ、襦袢にアイロンかけつつ、考えていた。
つまるところ、ここ数年、洋服がつまんなかったんだよね。
流行とか年齢とか、自分の嗜好や生活スタイルの変化とか、
いろんなところでギャップが生まれてたのかもしれないけど、
昔みたいには、洋服にときめかなくなっていた。
ところが、どうよ、このドキドキは。
田舎で、私服通学の高校生だった頃、毎週金曜日の学校帰りに
『anan』(注:当時は素敵なファッション誌だったのさ)を買っては、
7qくらいの商品クレジットをスミからスミまで読み尽くし、
欲しい→でもそんな高い服買えない→けど真似したい
→母のタンスを漁って使えそうなもの借りてくる→鏡の前で奮闘
→足りないものは自分で作る→学校行って、ほぅら、どうだー!
・・・てなことを繰り返してた、あの頃のドキドキなんだよなぁ、
いまの着物のこの感じって。
そんな高いもん(ケタ違うし・・・)買えないし、
呉服屋の敷居はコムデギャルソンの敷居よりも遥かに高いので、
古着屋を漁り、母から譲られた着物や羽織や帯をどうにか組み合わせ、
半襟や帯揚や帯留を自分で作ったりして、鏡の前に立つ瞬間。
これこれ、そうなのよ、この楽しさなんだってば。
2月14日
2:14am
歳がバレるので書かずにいたんだけど、
今月に入ってから、テレビ放送開始50周年記念番組
なんていうのを、よくやってるじゃないか。
この企画で何が楽しみだったかって、そりゃもう、
『ひょっこりひょうたん島』と「少年ドラマシリーズ」。
あ、もうダメ。ここで歳バレバレだよね。
『タイムトラベラー』も『謎の転校生』も
『未来からの挑戦』も『幕末未来人』も、もちろん当時見てたさ。
沢村くんと星野くんの姿を久しぶりに見て、たまらなくなったよ。
けどね、いちばん好きだったのは、『つぶやき岩の秘密』。
覚えてますか? 石川セリが歌ったあのせつないテーマソングを。
♪いつか思い出すだろう、大人になったときに〜♪
まる30年ぶりに、ちらりと再現された映像。全部通しで見たいよ〜。
dvd発売してほしい、まじで。
さて、一方の『ひょっこりひょうたん島』だけど、
これはかなり幼少の頃だったので、部分的にしか記憶してない。
どっちかっていうと人形劇では『新・八犬伝』のほうが印象に残っている。
♪仁義礼智忠信孝貞、いざとなったら珠を出せ♪ さ。犬塚信乃、さ。
「我こそは玉梓が怨霊〜」さ。(ほぅら、同世代、思い出したかな〜?)
ところが! 発見してしまったのだ。
『ひょっこりひょうたん島』のオープニング、
久里洋二氏の、いま見ても新鮮なアニメーションの中に、
三角ウロコ屋根のお城のてっぺんで、
横長の旗がパタパタはためくワンシーンを。
これって・・・うちのhpのshopページのトップ・・・ちょっと鳥肌。
30数年前に擦込まれていた記憶が、このページを作らせたのだろうか?
三つ子の魂百まで、ってやつか?
2月13日
2:16am
ミシンに向かって座ると、左手にはオープンな生地棚があり、
背後にはオープンじゃない棚がある。
その扉の向こうには、何が入っているかというと・・・
じつは、試作段階で頓挫したままの未完成品がごろごろしているのだ。
忘れたフリして放り込んで蓋してたけど、最近気になりはじめていた。
なぜかというと、その未完成品の殆どが
2fに帯地のバッグとしてデビューするはずだったものたちなんである。
着物着用率が増えるにつれ、ふと思い出しては、心を傷めていた。
思いきって、今夜扉を開けて発掘してみた。
切りっぱなしで放り出してあった帯たち・・・ごめん。
切らずにおけば、ああ、あの御召に、あの紬に・・・
と、悔やんでも後の祭り。
げっ、こんなところに西陣の証紙が。
うわ、これ、よく見たらちゃんと袋織になってる。
ああ、ほんとにあとの祭り。無知って怖い。
よい子のみなさんは、決して真似しないでください。
せめて、ちゃんと形にしてあげないと、罰当たるよなぁ。
2月8日
11:32pm
針供養に行ってきた。
と、ここに書くのも3度目か。。。今年は折れ針の数が少ないぞ。
ってことは、腕が上がったってことなのか?
それとも、仕事してないってことなのか?
ま、それはさておき、もちろん今年は着物で出かけた。
ちょっと仲見世の土産物屋なんか冷やかしつつ、
異国の人に写真撮られちゃったりもしつつ、浅草寺脇の淡島堂へ。
もともと和服率の高い浅草だけど、この日はとくにすごい。
地下鉄の駅からもう、同じ目的と思われる着物姿の人だらけの状態。
「東京和服裁縫教師会」ってところが音頭取りをしてるというから、
もっともなことなんだけど。あいかわらず年齢層高いし。
そんな中に、どこぞのファッション系専門学校の学生らしき
金髪のにーちゃんとかも混じっていたりするのが微笑ましい。
と思っていたら、それどころか、
浅草寺病院の看護婦さんも注射針(新品のやつをね)持って
お豆腐に刺しに来るんだそうな。
昔は、漁師さんたちが釣り針を持ち寄ったりもしたそうな。
ほほぅ。針、と言ってもいろいろだったのねぇ。
2月7日
0:55am
2月6日は、ミケコが我が家にやってきてまる1周年の記念日。
ということで、もともと特別な日ではあった、のだが・・・。
かれこれ干支をひとまわりするくらいの腐れ縁なんだけど、
会うのは3〜4年ぶり、っていう友人と、着物着て出かけた。
思い起こせば、そもそも彼女と最初に知りあった場所が、
つい先日天寿を全うした(?)会社だったってーのにこのタイミング
っていうのも、すでに因縁めいていたんだけれど。
帰りの電車でばったり出会ったのが、
なぜ? よりによって、今日この日に、この場所で、この3人が???
という、まことに驚くべき偶然の再会が降って湧いて、
びっくり仰天の一日だった。
いったいこれは、何の暗示?
映画の伏線みたいに、人生終えるときになってようやく
ああ、あれはそういうことだったのか・・・と気づくんだろうか。
と、動揺しつつも、ミケコ姫のディナーには、
シーバのスペシャル缶を開けて差し上げたけど、
ま、そんなこたぁお構いなしで、腹出して毛づくろいしてるな。
2月3日
2:17am
縫っている。毎日せっせと縫っている。
肌襦袢と、裾よけと、新しい補正胴着と、
今日なんかついに、絹のうそつき袖襦袢まで縫ってしまった。
長襦袢の半襟も、せっせと付け替えている。
ミシンでじゃかじゃか縫ってばかりいたのに、
手元でちくちくばかりやっている、今日この頃。
めちゃくちゃ気の早いことに、夏の着物と草履を買ってしまったし。
浴衣の生地も買ってしまったし。
運針、って、そんなに得意じゃないんだけど。
手元でちくちく、は好きだけど、しょせんo型混じりのa型なので
均一の針目でまっすぐ縫うのなんて、苦手なんだけれど。
でも、自分で縫った浴衣着て、素足に下駄つっかけて、
貝の口に結んだ半幅帯の背中に団扇なんか背負って、
近所の神社のお祭りに行くのが、今年のささやかな目標なんである。
あ、今日は、豆まかなきゃなぁ。。。


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